こんにちは。くるーざーです。
今回は趣味の能のお話。
日本の伝統的な演劇のひとつ、能をご存じでしょうか? 能面をつけて舞う、というイメージを持っている人は多いかもしれませんね。
実は、一口に「能」と言っても、その上演形式にはいくつかの種類があります。そのことを知っていれば、実際に能を見にいく際の助けになるかもしれません。ここからは、代表的なものを紹介していきたいと思います。
能
そのままに「能」。能と言われてイメージされるのは、大体はこの形式です。
絢爛豪華な衣装を身にまとった役者が、舞台の右側に座ったバックコーラス(=地謡、じうたい)や舞台後方のお囃子に合わせて舞を舞う。
ひとつの作品としてもっとも完成された形であり、舞・謡・囃子だけでなく衣装や能面の美しさを楽しめるなど、一番能の魅力を感じることができる半面、どうしても上演時間が長くなってしまいます。
短めの演目でも30分で、1時間以上かかる演目も少なくありません。
舞囃子
長い時間を必要とする能を簡略化したものが「舞囃子」です。ひとつの能の演目うち、一番の見どころとなる部分だけを演じます。
衣装は「能」のきらびやかなものとは異なり紋付と袴で演じますが、地謡とお囃子が入り、かつ上演時間も10~20分ほどと短くなりますので、集中して能とはどのようなものか味わうことができます。
また、これは個人的な意見ではありますが、紋付袴は能の装束ほどがっちりしていないため、役者の舞が見たいのならむしろこちらの方が分かりやすいかもしれません。
仕舞
能をさらに簡略化したものが「仕舞」です。仕舞になると囃子も入らなくなりますが、演目としては5分以下のものがほとんどになるため、とても気軽に見ることができます。
単純化されているだけあって、より直接的に舞や謡を体感することができます。
また、お稽古事として能を習う場合、初心者のうちに実際にお稽古することになるのはこの「仕舞」です。短いからこそ様々なものを体験することができるのです。
能の上演形態として代表的なものは、上記の3つです。
「能」の完成された魅力も素晴らしいのですが、舞囃子や仕舞のような比較的手軽に楽しめる形式も負けてはいません。
もし能を見にいく機会がありましたら、これらの入った公演を探してみても面白いと思いますよ。