コロナ禍における能の公演

こんにちは。くるーざーです。

昨日、「金剛定期能」という能の公演を見にいきました。

コロナウイルスによる自粛期間を経たので、能を見るのはしばらくぶりです。当然、昨日の公演ではコロナウイルス感染に対する対策も組まれていました。

コロナ禍の状況を記憶する備忘録も兼ねて、今回はそうした対策の様子を紹介していきたいと思います。

入場時の対策

普段の入場の際はチケットを手渡しし、半券をちぎってもらうだけで済んでいましたが、今回はそれに加えて感染症対策となるいくつかのステップが追加されていました。

入場時に手指のアルコール消毒、額から体温を計測する非接触型体温計による体温測定を行い、チケットは自分で半券をちぎるような設定です。

また、そもそもとして当日券は販売せず前売り券のみとするなど、徹底して受付での接触を避けるようになっています。

観客席の対策

当たり前のことですが、観客席も普段通りとはいきません。一時期、映画館での座席の配置の仕方が話題になっていましたが、それと同じように観客の総数を半分にして前後左右を空けてもらうことで観客同士の距離を保つようになっていました。

利用不可となっている座席に関しては、張り紙をすることで座れなくしているようです。

ちなみに、東京にある宝生能楽堂では張り紙の中身にも気を使っており、単なる注意書きではなく能に登場する和歌を記した紙にすることで、極力世界観を壊さない工夫をしているようです。細やかな気配りが感じられます。

演者の対策

能の舞台に独特な対策としては、演者の姿に関する対策が挙げられます。

能は地謡というコーラスが必要不可欠であり、そこで大声を出す以上、飛沫の散布は避けられません。また、一般的に地謡では8人ほどの人数が一か所に固まるため、密集も発生してしまいます。

その対策として各地の舞台では、地謡が特注のマスクを着用し、人数を減らしたり、普段より間隔をとった配置にしたり、はてはアクリル板を設置したりといったことが行われているようです。

昨日の舞台でも地謡がマスクをつけ、人数も普段の8人から5人へと減らされていました。

マスクの様子については、昨日の公演そのものではないものの以下の記事の写真が近しく、参考になると思います。

https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/293903


以上のように、能の世界でもコロナウイルス感染症への対策を重ねつつ、公演が再開されるようになってきました。

これからの情勢は不透明ではありますが、こうして少しずつでも活動の範囲を広げていけると個人的にはうれしいですね。