順調に毎月映画サークルの活動を行っていまして、2月度は『イニシェリン島の精霊』という映画を観に行きました。
ちょうど18時過ぎにやっていてくれてよかったです。
なかなか見たい映画があってもいい時間にやってないんですよね。
しかも2月3日から鬼滅の映画が始まってしまうと。
絶対他の映画の上映回数減ってしまう!始まる前で助かりました。
さて『イニシェリン島の精霊』は、1923年、アイルランドの小さな孤島であるイニシェリン島が舞台です。
ざっくり言うと、主人公であるパードリックというおじさんが、長年仲良くしていたコルムおじいさんにいつも通り「飲みいこうぜ!」って声をかけると、ある日突然フルしかと。嫌いになったからしゃべりかけてくんなと言われ、え、なんでなん、、、?となる話です。
※以下ネタバレ注意
理由は割と早々に明かされるのですが、残りの余生を有意義な時間にしたいからでした。
パードリックは、舞台である小さな島でずっと暮らしており、毎日散歩に行って、島に一軒しかない近所のパブで飲んで、家畜の世話をして寝るというなんの変哲もない生活をしていました。
パードリックの話には含蓄もなく、目新しさもなく、興味も引かれずで、「あ、これ時間の無駄だなぁ」と思ったというのです。
先日は、ロバの糞の話を2時間もされたといい放っていました。
確かに、毎日つまらん話をされている中で、その話題で2時間はちょっときついかもなぁと自分も思いましたね。
コルムは「考える」をする人で、楽器ができ、音楽という芸術を嗜む人でした。
対してパードリックはコルム曰く「考える」をしない人でした。
コルムはここで一線を引き、アホは見下して、話しても学びのない奴とはしゃべらないことにしたのでした。
気持ちはわからんでもないけど、今まで仲良くしてたのにそんな突然悟らんでもいいやんって感じですよね。
作曲したい日は断って別日にするとか、会う頻度調整するとかしたらいいのに。
それか最初から合わなかったのだから、毎日会うような仲になるなよと。
パードリック、悲しい時めっちゃ眉毛下がるので、かわいそうに、、ってなりました。
ですがそう思えるのは、自分が比較的都会で人があふれている中で暮らしているからかもしれませんね。
ド田舎で極端に人が少なく、ネットもないとかであれば人間的に合わなくても、仲良くするしかないかもしれません。
パードリックには同居している妹がいました。
兄に対しての仕打ちを咎めにきた妹に対しても、コルムは理由を説明し、「君にはこの気持ちわかるやろ?」と言いました。
妹は本を多く読み、博識な人だったんですね。そのため、コルムはパードリックの妹を自分と同類だと思ったようです。
しかし、作曲家の知識をひけらかしたコルムに妹さんが、年代を訂正するシーンがあります。
妹さんは、同類どころか、コルムより賢く、もっと上の存在だったと示されるんですね。
たまにTwitterとかで「自分とIQに差がありすぎると話が合わない」みたいな話を見ますが、この話に「確かに!」と思う時、大体自分が上で想定していますよね。
みんな下には線を引くけど、上には引かないよねっていう。
最終的に妹さんは島を出るんですが、コルムも島で退屈なのであれば、旅行でもいけばいいですよね。
この作品、対比も多く、イニシェリン島から本土が見えるのですが、本土では内戦しています。
この島でも男性二人が小競り合いをしています。
内戦のことを考えるコルムとどうでもよさそうなパードリック。
コルムが連れてた動物は賢さの象徴である犬で、パードリックはロバを連れていました。
まだいろいろ言及したい点はあるのですが、長くなってきたのでこの辺で。
アイルランドという土地柄か天気悪くて画面が薄っすらと暗く、ずっと不穏な空気感なんですよね。
映画のフィルターもあるかもしれませんけど。イングランドも大体雨降ってますもんね(イメージ)。
コルムはしゃべりかけられたら仕返しをするんですが、ずっと天気悪いからあんな陰鬱な方法思いつくんですよきっと。
来月は明るい映画が観れたらいいですね。