というわけで、前回のブログの補足です。水仙を守るために100円の武器を手に取り戦いを挑んだ相手、ムラサキツメクサについて解説します。
ムラサキツメクサ(紫詰草、別名:アカツメクサ)は、マメ科の多年草で、繁殖力が非常に強い植物です。特に注目すべき点は、その繁殖方法と成長の速さにあります。まず、ムラサキツメクサは種子だけでなく、地下茎(地面の下を横に伸びる茎)によっても増殖します。これにより、一度根づくと地中で新しい株を次々に形成し、広範囲にわたって急速に広がるのが特徴です。(どうりで年々増え方が加速していると感じるわけですね。。。)

さらに、この植物は茎が直立し、高さが30〜80cmほどにまで成長するため、他の低い植物をすぐに覆い隠してしまいます。葉も密に茂るため、日光が届かず、周囲の植物の生育を妨げ、生態系のバランスを崩すことがあります。特に耕作地や空き地などでは、ムラサキツメクサが一面に広がると、在来植物の生育を阻害し、管理が難しくなります。
効果的な退治方法としては、まず早期発見・早期除去が重要です。手作業で根ごと抜き取る方法や、地表を覆うマルチング、繰り返しの刈り取りにより地上部を弱らせることが有効です。ただし、地下茎が残ると再生するため、根絶には複数年にわたる継続的な管理が必要です。必要に応じて、非選択性除草剤の使用も検討されますが、周囲の植物への影響を考慮し、慎重に行う必要があります。
ところで、四葉のクローバーでおなじみのシロツメクサについてもついでに。

シロツメクサ(白詰草、クローバー)は、ムラサキツメクサと同じマメ科の多年草ですが、性質や繁殖の仕方にいくつか違いがあります。
まず、シロツメクサも繁殖力は強いですが、その広がり方は主に**ほふく茎(地面を這う茎)**によるものです。この茎が地面を広がるように伸び、節から根を出して新しい株をつくっていきます。ムラサキツメクサのように地下茎で広範囲に侵入するタイプではないため、管理はやや容易です。
また、シロツメクサは高さが低く、通常は10〜30cm程度にしか育たないため、他の植物を覆い隠す力はムラサキツメクサほど強くありません。日当たりの良い草地や芝生に共存することも多く、生態系への圧迫は比較的少ないとされます。加えて、踏圧に強く、緑化植物としても活用されています。
ただし、シロツメクサも放置すると一面を覆って他の草を駆逐することがあります。除去したい場合は、繰り返しの刈り取りや草取り、ほふく茎を断ち切ることが効果的です。除草剤を使う場合も、非選択性のものを部分的に用いることで対応可能ですが、必要以上に使用すると周囲の草も枯れてしまうので注意が必要です。